公開日:2023/11/28

金型寿命とは?冷間鍛造金型において寿命を決定づけるショット数・金型の材質について解説

金型寿命とは?

金型寿命とは、金型が正常に成形を続けることができる期間のことです。
金型は一定の条件で成形を行なっていると、摩耗・かじり・表面処理層の剥がれなどで図面指示規格外となる場合や、クラック等の割れが生じて、品物の品質や生産が担保できなくなる場合があります。こういった状態の金型は、寿命に達したと判断されます。

冷間鍛造金型

金型寿命と耐用年数との違い

金型の耐用年数は、帳簿上の減価償却を計算するために用いられる言葉です。
生産現場において冷間鍛造金型の寿命の規格は、概ね10,000ショット以上で設定されていますが、冷間鍛造は生産性が高く早ければ数日で新しい金型に交換することが珍しくありません。このことから冷間鍛造用の金型は操業費用扱い(生産経費)の場合が多く、同じ塑性加工でもアルミダイキャスト型や樹脂型・ボディプレス型など寿命が長く長期間使用される金型の費用(投資償却)と異なる場合が多く見受けられ、取り扱いの違いがあります。

金型寿命を決定する要素

金型の種類は多種多様で性質も異なりますが、どの金型にも必ず寿命がります。
金型寿命は、金型の使用環境や素材などによって左右され、金型の寿命を決定づける代表的な要素として「ショット数」「金型の材質」が挙げられます。

ショット数

ショット数とは成形に金型を使った回数のことで、どのくらいのショット数に耐えうるものであればよいのかを試算した上で金型を製作します。

金型の材質

金型の材質によっても耐久性は異なります。
ショット数の多い金型には鋼(溶製・粉末)もしくは超硬が使われることがほとんどで、耐摩耗性の高い素材・割れに強い鞭性の高い素材など目的に合わせて金型の材料を見極めることが重要です。

金型寿命を延ばすには?

金型寿命はショット数によって、対応が変わります。

〜1,000ショット

新規製作した型にて、使用開始から概ね1,000ショット辺りまでで破損した場合は、成形圧力が金型に用いられる材料もしくは金型設計において発揮させようとしている強度よりオーバーしていると思われます。
工程設計・金型材質・構造・寸法など主に幾何学的なデータに絞って再検討をすることが必要です。

1,000ショット〜10,000ショット

概ね1,000~10,000ショット辺りまでの破損は、機械加工・放電加工・熱処理・表面処理の前処理・最終仕上げ面の状態など成形部表面の製作過程による不具合により生じた加工異常層が要因となる場合がほとんどです。金型製造プロセスの管理条件の実績確認や見直し改善を図る必要があります。

10,000ショット〜

概ね10,000ショット以上の破損に対しては各プロセスの寿命の条件を満足しているケースが多いと思われますが更なる寿命向上の施策として、材質の高靭性化もしくは高硬度化など成形に合わせた仕様の見直しや、表面処理の追加・種類の見直しなどの対策がそれぞれ特徴的な効果を発揮することになります。

最後に

いかがだったでしょうか。
当社では、長年培ってきた鍛造技術をもとに多くの精密鍛造金型を製作してきました。
特に冷間鍛造金型は高い精度と高強度を有し、超硬材の金型製作のパイオニアである当社が、最も得意としている分野であり、業界トップクラスの精度と品質を誇ります。
もし適切な型材選びに悩んでいる、金型寿命を延ばしたい、こんな部品を設計・製作したいなどありましたら、お気軽にお問合せください。

精密鍛造金型カタログ

精密冷間鍛造金型を強みとし、温感・熱間・冷間複合鍛造金型、非鉄金属鍛造金型、
フローフォーミング成形金型など、様々な成形工程にあわせた金型製作が可能です。

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