公開日:2023/11/28

冷間鍛造金型製作に欠かせない5つの加工技術

冷間鍛造金型における代表的な加工技術

冷間鍛造金型製作にあたり、欠かせない加工技術は以下の5つです。

  • 旋削(機械)加工
  • フライス加工
  • 放電加工
  • マシニング加工
  • 研削加工
  • 次からはそれぞれの加工技術の詳細を解説していきます。

    旋削(機械)加工

    被加工材を回転させ工具を押し当てて表面を削り取って行く加工です。
    一般的には旋盤という工作機械にバイトと呼ばれる工具を取り付けて行います。冷間鍛造金型では主に丸型形状のダイス・パンチ・ピン類の粗加工・仕上げ加工などに適用されます。 加工の種類としては、内径・外径・端面それぞれの加工のほか、総形バイトを用いた形状加工などが挙げられます。
    当社では、専用工具を成形することで高精度で高硬度の金型材の加工を実現、対応しています。

    旋削(機械)加工

    フライス加工

    切削工具を回転させ作業台に固定した被加工材を削り取っていく加工です。
    円筒形の切削工具は総称してフライスと呼ばれます。さまざまな種類の切削工具を使い分けて、平面や曲面、穴あけ、溝削りなど多様な加工を実現できます。
    切削工具は一般的に上下に移動し、被加工材が固定されている作業台は前後左右に移動することにより加工されます。冷間鍛造金型では主に回転方向の位相を合わせるための溝やノックピン穴・ボルトを固定するザグリ穴・吊りタップ加工などに適用されます。 加工の種類としては、平面切削/溝切削/面取り加工/穴加工/ザグリ・タップ加工などが挙げられます。
    当社では、加工工程間での中間検査を実施するシステムを取り入れて、金型品質の安定向上を確保しています。
    ※工具と作業台を3次元的に動かし複雑な形状を加工する技術については【マシニング加工】にて説明します。

    放電加工

    被加工材を絶縁性の加工液(脱イオン水や石油など)に沈め、形状が彫刻された電極との間にパルス電圧を印加させアーク放電(放電温度は約3000℃)を起こし、被加工材を融解させ電極の形状を転写する加工です。
    このとき加工液が沸騰・膨張するため被加工材から融解した部分(金属粉など)が飛び散りますが、これらは加工液で押し流されるため短絡の心配はありません。さらに加工液には被加工材の融解箇所を冷却する効果もあり熱変寸が殆んど発生しません。電気を通す素材であれば耐熱合金・超硬・粉末ハイス・ダイス鋼など高硬度で被削性の悪い難加工材の加工が可能です。
    電極は被加工材質と要求精度により銅、グラファイトおよび銅タングステンを使い分けます。冷間鍛造においてネットシェイプを狙った最終製品に近い形状の金型を製作することが可能です。
    当社では、高精度の電極を製作・CNC検査し、放電加工ではその転写精度を向上させる技術を活かして高精度加工を実現しています。

    放電加工

    マシニング加工

    切削工具を回転させ作業台に固定した被加工材を削り取っていく加工ということではフライス加工と同じ定義になりますが、切削時の被加工材と工具の関係が3軸(X,Y,Z)に加え回転軸(C)や傾斜軸(A)までを考慮し、被加工材に立体的で複雑な形状を削り取っていく加工です。
    金型に形状を形成する工程としては放電加工と同様ですが加工時間・加工された面の最終仕上げに要する時間が短く、放電加工よりやや高い精度の金型が製作可能です。
    当社では、加工環境(恒温室での温度管理、機械メンテナンス)を整備し、機械精度および金型加工精度を高水準で維持しています。

    マシニング加工

    研削加工

    砥石を高速回転させ作業台に固定した被加工材を削り取っていく加工です。
    非常に高精度な加工を行うことができるため主に切削加工後の仕上げとして1ミクロン単位の公差で寸法精度を仕上げることが可能です。加工は研削盤と呼ばれる機械により効率の良く均一な表面仕上げ処理が行えます。冷間鍛造金型の特に高い精度や面粗度を求める場合に有効です。
    研削加工の種類としては、平面/内面/円筒が挙げられますが、当社では、成形研削盤での加工技術の蓄積があり、歯車形状のパンチなど高精度および良好な面粗度の加工を実現しています。

    研削加工

    最後に

    いかがだったでしょうか。
    当社では、長年培ってきた鍛造技術をもとに多くの精密鍛造金型を製作してきました。
    特に冷間鍛造金型は高い精度と高強度を有し、超硬材の金型製作のパイオニアである当社が、最も得意としている分野であり、業界トップクラスの精度と品質を誇ります。
    もし適切な型材選びに悩んでいる、金型寿命を延ばしたい、こんな部品を設計・製作したいなどありましたら、お気軽にお問合せください。

    精密鍛造金型カタログ

    精密冷間鍛造金型を強みとし、温感・熱間・冷間複合鍛造金型、非鉄金属鍛造金型、
    フローフォーミング成形金型など、様々な成形工程にあわせた金型製作が可能です。

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